1. Top
  2. Notifications·Blog
  3. 樹齢八百年の「長床」大イチョウの絨毯と拝殿
ブログ
樹齢八百年の「長床」大イチョウの絨毯と拝殿
2025/11/16
はるかシベリアの空から、白鳥たちが会津へと帰ってきました。

冷たい風をまとったその翼には、

白鳥が持つ純白の輝きと共に、冬のはじまりを告げてくれます。



晩秋の会津は、静かな光に満ちています。

山の端が淡く霞み、風がやさしく光を運ぶころ、

新宮熊野神社の「長床」では、大イチョウが黄金の光を放ちます。



高さ30メートルを超える樹齢八百年の巨木が、

境内をまるで金色の海のように染め上げ、

訪れる人々をやさしく包み込みます。

その光景は、会津の晩秋を締めくくるにふさわしい“黄金の奇跡”。

一歩足を踏み入れれば、風も音もやわらぎ、

自然と深い呼吸が戻ってくるようです。



熊野神社の創建は平安時代後期。

紀州・熊野三山の信仰が東北へと伝わり、

会津でも「再生と蘇りの神」として熊野の神々が祀られました。

この地は古くから修験の行が行われた聖域であり、

山の恵みとともに生きてきた人々の祈りが今も息づいています。




拝殿である「長床」は、柱だけで囲まれた独特の建築で、

国の重要文化財に指定されています。

その開放的な造りは、

自然と一体になる日本古来の祈りの形を今に伝えています。


堂内に立てば、天と地がひとつに溶け合うような静けさに包まれ、

千年の時を越えて心が洗われるよう。

併設されている熊野神社宝物殿には銅鉢をはじめ、

多くの国、県指定文化財が保存されており、拝観することができます。




東山温泉からは車で約40分。

冬至を迎える前の大切なタイミング。

湯上がりの余韻を胸に、

黄金の絨毯を歩きながら、会津の秋の終章を感じてみませんか。



●新宮熊野神社「長床」の大イチョウ

住所: 〒 966-0923 福島県喜多方市慶徳町新宮字熊野2258
電話番号: 0241-23-0775
拝観時間: 8:30~17:00
      冬期間(12月~3月)宝物殿は土・日・祝日9:00~16:00のみ見学可。
料金: 大人300円、高校生200円、中学生以下無料
駐車場: 駐車場あり。大型バス可(要問合せ)。
HP: http://www.kitakata-kanko.jp/category/detail.php?id=60